Departed Away

「友達を作るのって、こんな難しいのかよ…」 初めて新しい学校に来た時、俺はそう思った。晴れ晴れしい初日がまさか悪夢に変わるだなんて、思いもよらなかったさ。一回ミスっただけで、いきなりみんながこっちを指差してきて、してもないことで責めてくるんだ。俺のせいじゃないのにだぞ？謎とイカれた奴で溢れかえってる。そんなところに俺は迷い込んじっちまったんだ。好きになれるわけがない、他も似たようなもんだな。生き残ること…今はもう、それ以外選択肢が無いみたいだ。

うーん…詳しくは説明しにくいんだけど、この新しい学校に転校してきたのは、仕方なくだったんだ。俺がそうしたいって思ったわけじゃなくて、親にほとんど無理やり押し込まれたようなもんでね。仕事人間の母さんに、気味がわりー親父──俺のウチも普通じゃねーのさ。おっと、それはさておき。俺はこの学校で、何人か友達が欲しかっただけなんだ…まあ、結果はお察しの通りさ。あ、代理人とは連絡ついた？なんとなくだけど、必要な気がしてきてね。

ああ、ベアトリス？彼女はそりゃもう、目を見張るくらいの美人だったな！あんな息を呑むほどのべっぴんさんには、出会ったこともない。あと、ヒトミって子がいるんだ。物静かでオタクっぽくてね…まあ、そこがまた彼女の面白いところでもある。そして、マーセル。彼女については本当に謎が多い。一目見るだけで、心の中に火がボッとつくんだ。彼女の才能もすごいんだよ。まあけど、ベロニカほどではないかな。ベロニカはもう異次元のレベルだよ。何やっても上手くこなすんだから。でも、ホントびっくりするよ。彼女たちにはそれぞれ、俺には理解できないくらいの不思議な「何か」があるんだ。